コンピュータは自分より賢いコンピュータを自動で作れるようになるか?

未来には、コンピュータ自らが、自分より賢いコンピュータを自動で作り出せるようになる。
そして、それによって、飛躍的に技術は進化するというSFの話を聞いたことがある。
これは可能なんだろうか?


そもそも何を持って、自分より賢いか?とするかによるだろう。

たとえば、遺伝的アルゴリズムなどによって、生物の進化をシミュレートするようなことはできる。
そして、賢い種だけが次の世代に残るといったようなことができ、より環境に適応した賢い種だけが残るようになる。

ただ、問題なのは、何を持って、賢い種かどうかを決定する評価関数はプログラマが作っているわけだ。

決め打ち評価関数では、あらかじめ与えられた範囲での、より賢いというのは作れるだろう。
だけど、今回の問題は、未知の世界の話だ。

人間の知能を持ってしても及ばないぐらい賢いコンピュータというのをどう定義するだろう?
テストの点数や、勝負の勝ち負けなどのとても単純なものについては評価しやすい。
だけど、今回はそういう話ではない。
測るとしたら、ひらめきや、発想力だったり、感受性を計らなくてはいけないだろう。

人間だったら、IQのテストだったり、いろいろあるかもしれないが、これらはコンピュータには合わないと考える。
コンピュータに記憶力を測っても仕方ない。

ひらめきや、発想力などを数値化することは、とても難しいと思われる。
人間でも数値化できていない。

知識量などに関係なく、自分より賢い人を、賢いと認識するのはとても難しいことだと思う。
これらをコンピュータに図らせて評価することはできるのだろうか?


知識量以外で、素晴らしい業績や作品を残した人の特徴を変数にあげて、
機械学習させるのはどうか?

これも無理のように思える。
結果は収束しないだろうし、仮に収束したとしても、人にはそれを理解できないだろう。

たとえば作品にしたって、映画もあれば、楽曲もあり、発見や、業績など、成功の分野とその定義は人それぞれだ。
ある人にとっては、成功者だと思う人も、別の立場から見ればぜんぜん違うこともある。
やはり、人間にも、賢い人とは何かを定義することはできないのではないんだろうか。
人間にできないことは機械にでも無理だろう。

仮に、できたとしても、それを人間が理解できないんだから、意味が無い。


だから、コンピュータは自分より賢いコンピュータを自動で作れるようになるか?という問には、何を持って賢いとするか?という評価の定義が数値化できるんだったらできるんじゃないの?と答えるしかない。
何を持って賢いかが数値化できない限り、どれだけ技術が進化しても作ることは不可能ではないかと考える。